漢詩っておもしろい?

正直言っておもしろいです。何がおもしろいのか、という私なりの見解を述べますと・・・
  ・二千年近くも前の人間が詠んだ詩なのに、現代の私たちもが共感できる内容。
  ・すっごく偉い人が詠んだ詩でも、「なぁ〜んだ、彼らも私と同じ”ただ人”よ。」と思える。
  ・中国語本来の美しい音とリズムを楽しむことができる。
楽しみ方は人それぞれですけど、私はこういった理由で漢詩ファンです。(にわかファンですけど・・・)

 

中国語で”漢詩” とは言わない?

日本人はよく間違えて、”漢詩”という言葉をそのまま中国語で「漢詩(han4 shi1)」と言ってしまいがちですが、これは間違えた中国語。中国では”漢詩”って言わないんです。じゃ、何と言うか? 中国では時代によって言い分けます。
  楚の時代=辞 : 「楚辞」(chu3 ci2)
  漢の時代=文 : 「漢文」(han4 wen2)
  唐の時代=詩 : 「唐詩」(tang2 shi1)
  宋の時代=詞 : 「宋詞」(song4 ci2)
  元の時代=曲 : 「元曲」(yuan2 qu3)
この中でも唐の時代に、もっとも多くすぐれた詩が詠まれました。

 

ルールが分からない。

私も分かりません。これは無視しても読めます。意味は分かります。ただ、ルールを知っていれば、その詩がいかに素晴らしい技術を巧みに使って作られているか・・・というのが分かるだけだと思います。

  五言詩 : 一句が五つの漢字で構成されている詩。
  七言詩 : 一句が七つの漢字で構成されている詩。
  韻を踏む: 句の最後の音が、よく似た音で構成されています。(子音を抜いた母音が同じ)
         韻の切れ目が意味の切れ目である場合が多いようです。
  対句  : 日本語訳で漢詩を勉強されると、何がどう対句になっているのか分かりま
         せんが、中国語(原文)で見てみるとよく分かります。

 

律詩と絶句

律詩 : ”律”は”法律”、つまり規則的であるという意味。
絶句 : ”絶妙”の”絶”とも言われたり、長い詩から初めの四句を”絶ち切った”という”絶”
      とも言われています。李白は絶句が得意で、杜甫は律詩が得意だった為に、
      「李絶杜律」という言葉も生まれました。

 

”ひょうそく”って何?

漢詩を勉強した人なら聞かれたことがある「平仄(ひょうそく)」というルール。これはすごく難しい。中国語の発音を知っていなければ分かりません。つまり、漢詩を中国語で読んだ時に、発音の種類分けが規則正しいか、そうでないか・・・ということです。規則正しい時は「平仄が合っている」と言い、不規則な場合は「平仄が合っていない。」と言います。

今で言う、四声の第一声,第二声,第三声,第四声。これを別の言い方で表現すると、
  第一声:上平(shang4 ping2)
  第二声:下平(xia4 ping2)
  第三声:上声(shang3 sheng1) ← 「上」は第三声になる
  第四声:去声(qu4 sheng1)
  「っ」のようにつまる音:入声(ru4 sheng1) ← 今の普通話にはない音、広東語にはある
と、こうなり、この四声を二組に分けると、第一声と二声の”平声(ping2 sheng1)”と、それ以外三つの声調の”仄声(ze4 sheng1)”となります。詩の中で、”平声(ping2 sheng1)”と”仄声(ze4 sheng1)”が規則正しく並んでいるかどうかを見たものです。

正直申しまして、私はそんなのを考えて読んだことはありません。(どうでもいいというか・・・)

 


とにかく、漢詩はこんな知識はなくても読めるんです。
みんなでおもしろい漢詩を見つけては、ここで紹介していきましょうよ。
きっと、自分の心境をピッタリ表現してくれている素晴らしい漢詩に出会えるはず!