お茶の起源

 

お茶の起源
中国の歴史が長く古いように、お茶もいつどの様にどこで発明されたのかは定かではない。様々な説もあるが、お茶文化が中国から世界に発信されていったという説については、その根拠となる証拠があると言われている。ただ、茶葉そのものが中国で発明された根拠があるとはいえ、その飲用方法や飲用習慣については、どうやらインドやアフリカで先に発明されたようだ。

唐の時代、中国茶道を創造した陸羽の「茶経」に記載がある。“茶之為飲、発乎神農氏。”つまり、茶は飲む為に農業の神が発した(神が発明した)ものである、という意味となる。中国の歴史はあまりに古いので、往々にしてあらゆるものの起源を“神の業”である農業や植物に求めることがある。

西周の時代には、すでにお茶が王への献上物として納められていたことが記載されている。(晋「華陽国志・巴志」)

中国茶の飲用習慣の発祥地

1. 西南説   : この説が一番広く受け入れられている。
2. 四川説   : 実際、四川も中国では“西南地区”に入るので、結局は 1.の西南説と重なる。
           つまり、より細かく地域を分けた場合、四川から発祥したと言われる。
3. 雲南説   : この説は、茶樹が雲南省西双版納から発祥したとする説。茶樹はもともと野生
           のものであり、この一帯は植物王国なので、茶樹が存在した可能性は確実で
           ある。しかし、お茶文化は人類のものであるので、人文学的に雲南からお茶文
           化が発祥したと言うには問題がある。
4. 川東鄂西説 : 陸羽の「茶経」にこの説があるが、根拠となる証拠はない。
5. 江浙説   : 江浙は、現在の中国で茶葉業界が一番発達している地域、つまり、一番多く
           茶葉が生産されている地域である。古くから茶樹があったとすれば、茶樹の
           有るところにお茶は 有り。こう考えるのも自然といえる。茶葉の発祥地は世界
           でたった一つ・・・とは考えにくい。

お茶の飲用習慣の起源
1. お供え用説 : お茶はもともとお祭りの際のお供え品であり、後に食として口にしても害が
            なかったことから、お供え品から食用となり、また薬用となって、最後に飲料
            用となった。
2. 薬用説 : 当初薬用として人類社会に入ってきたとする説。
3. 食用説 : 当初から食用として人類社会に入ってきたとする説。
4. 混合説 : もともと食用であったのが薬用に改良され、最終的に飲用に発展していった。